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研究留学

研究留学のススメ-3 研究室の探し方

今まで
研究留学のススメ-0:研究留学のメリットとデメリット
研究留学のススメ-1: 研究留学を成功させるための心得
研究留学のススメ-2: 研究留学のための準備の仕方

を説明してきました。
今回は、研究留学先の選び方について説明していきたいと思います。

研究留学の準備の進め方の時に、
留学先の当てがない場合やコネクションがない場合の探し方として
助成金申請と同時に、縁もゆかりもない研究室のボスに「研究助成金を申請したいので、もし助成金を獲得できたら、あなたの研究室で働かせてください」メールをするといいですよっ

って書きました。

では、どのように縁のゆかりもない研究室を探せばいいのでしょうか?
方法は、大体下記の2つがあります。

1. 自分の研究分野で、研究テーマに近い論文から、その責任著者にメールする
2. 求人サイト(postdoc.com)、などから、自分の研究分野で探す

あらかじめ書いておきますが、
この2つの方法は、成功率がかなり低いです
ですので、コネクションがあれば、例えば、直属の上司の知り合いなどがあれば、
そこを研究留学先とするのが無難です。

私が研究留学先を探した際は、
なんのコネクションもありませんでした(笑)
もう手探りでいろいろ試しました。

私が実際、実践した方法として、
海外にポスター発表した際に、ポスターのところに、自分の名刺と、主要論文のコピーとを何十部とコピーしておいておきました。さらに研究留学先を探していますって書いておきました。
それで、私の研究発表ポスターを見に来てくれたり、興味を持ってくれた方に、拙い英語でアピールしました。
非常に恥ずかしい思いをしましたけど、10年経てばいい思い出です。

でも、ほとんど手応えなく、一箇所、面接まで行きましたが、結局断られました、、、
その面接のために、自費でアメリカまで行ったんですけどね、、、
2007年ぐらいの話ですけど。
今だったら、zoomとかskypeとかありますから、そんな手間は必要ないのでしょうけど。

メールもしまくりました。
自分の研究テーマに近いところを中心に。
何十通出したか分かりません。100通は行かないと思いますが、50は超えていたと思います、、、、
まあ、10出して、1つ返事があるかないかでした。
返事があっても、今はグラントがないから〜と、断りのメール。
まだ返事があるだけ、ましという感じでした。

結局、私の場合は、「研究留学ネット」の求人サイトから、運よく、面接を経て、採用されました。現在、研究留学ネットは2019年から更新されていませんね、、
コロナの影響だと思いますけど。
また更新されたら、ぜひ利用してみてください。

面接、面談について、
英語が得意ではないヒトは、「え〜!面接〜嫌だな〜」
って思われるかもしれませんが、

私も初めは、躊躇しました。
英語も得意ではなく、ザ ジャパニーズイングリッシュしか喋れませんでしたし、、(今でもですけど、まあ、その当時より多少マシにはなってますけど、、、)。

そこは、覚悟を決めてやりましょう!!
恥をかいても、多くの人とは二度と会いませんから。
大事なのは「気合と根性」です(笑)

さて、今はzoomとかで簡単に「面接」ができます。
それでも、一度は研究室に見学に行くことをお勧めします。
もしくは、その研究室の他のポスドクや、その施設に日本人ポスドクがいるなら、
論文や、大学等のホームページからメールアドレスを検索して、メールしてみましょう。
「あの研究室やボスがどんな感じですか?」って。

なぜかって?

別に海外の研究室を探す時だけではなく、
日本でもそうですけど、
職場の「空気感」を肌で感じることが大事です。
雰囲気がわるい研究室は、その部屋に入れば、雰囲気で伝わります。
もしくは、そこで働いているポスドクと話せば、ダイレクトにその研究室の雰囲気がわかります。

それができないなら、メールでもいいので、どういう研究室か探りを必ず入れましょう。

パワハラって日本だけではなく、アメリカでもどこでも、ありますからね!!
私がいた施設でも、ある日本人ポスドク(ベテランのお医者さん)が、安い給料で、馬車馬のように、もしくは奴隷のように働かされて、理不尽な要求ばかりされて、心が病んだという話を聞きました。
縁もゆかりもないからって、留学できたらどこでも良いって考えがちですが、
ブラック研究室は絶対、避けましょう!!

ブラックを避けるために、大事なこととして、
必ず給与(サラリー)について、最初から、面談の時から妥協しないでください。
最低限のサラリーは、決まってます。

いくら、研究留学がしたいからといって
給与が安くても良いとか、
タダでも良いとか、いってはダメです。

初めから足元見てくるようなボスは、100%「ブラック」です。
そんなところに、研究留学しても、ろくなことになりません!
気をつけてください。

ちなみに私のボスの場合、はじめから、規則通りのサラリーを提示してくれました。
何かと辛かったですけど、そういうボスの研究室だったからこそ、
頑張れたのだと思います。

以上。

海外研究室の選び方でした。
ぜひ、良い研究室に留学して、プライスレスな良い経験を手に入れてください。

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ダイエット 健康

健康増進法

私の筋トレやダイエットの目的は「健康」のためです。
しっかり確認のために、もう一度書きます「健康第一」。

なぜ、何度も確認したかというと、
目標がブレ無いようにするために(自分への戒め)です。

筋トレやダイエットすると、
世の中には色々な情報が氾濫しており、
その情報を集めて、吟味している間に、いつの間にか、当初の目的からズレるということがしばしば起きます。

気をつけましょう。

健康を守り、維持するため。
私が気をつけている点について、今回はあげていき、説明します。

1. 質の良い睡眠
2. バランスの良い、食事を、よく噛んで食べる
3. 適度な運動

なんて当たり前のことばかり!!(笑)
小学校のクラス目標か!!って感じですね。

1. 質の良い睡眠
適度の睡眠時間は人によって違います。今は便利な世の中で、スマートフォンがあれば、睡眠系のアプリがいくつもあり、充電しながら枕元に置いておくだけで、睡眠の質を計測してくれるものもあります。すごいでしょ?
私はアップルウォッチを毎日つけたまま寝て、「autosleep」
ってアプリで、自分の睡眠を計測するようにしています。
計測し続けると、多くの「気づき」がありました。
やる気が出ない時は、大体、睡眠の質が悪く、「深い睡眠」が2時間をきっていました。
逆に朝から、快適な時は「深い睡眠」が3時間取れていました。
不思議なことに、「睡眠時間」は6時間から7時間ぐらいで、安定していたのに、
体調ややる気に、「深い睡眠」が直結していることがわかりました。
それ以来、睡眠の質を良くするために
色々試しています。
例を挙げると、寝室の換気を寝る前に一度する。
寝るときは部屋は真っ暗。
エアコンをつけて、室温、湿度を一定にする。
寝る予定時間の2時間前までに食事を済ませる。
寝る予定時間の1時間前に入浴を済ませる。
寝る予定時間の1時間前からブルーライトを避ける。

などを心がけ、
常に良質な睡眠を取るように、心がけるようになりました。

2. バランスの良い食事
ダイエットして、自分の摂取する食べ物のカロリー、そしてタンパク質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)のPFCバランスを気にするようになって、多くの「気づき」がありました。
揚げ物は異様にカロリーがあり、摂取する脂質を爆上げしていること。
洋菓子も異様にカロリーがあり、炭水化物(糖質)、脂質が異常に高いこと。まだ、和菓子、特にあんこ系のものの方が摂取カロリーを抑えられること。
何も考えず食事をし、外食し、普通に料理し食事していると、摂取カロリーは異常に高くなり、炭水化物、脂質が異常に高くなること。

ダイエットし始めて、自分の摂取カロリーを計算してみたら、
3000kcalをゆうに超えて、4000kcal摂取していました。(それはデブになりますわっ!!)それでも運動をしてましたので、まだマシだったのだろうと思います。

これダイエット方法について述べたときにも書きましたが、
摂取カロリーって自分で、自分の方法で計算し、日々の体重変化を計測していかないと、
「自分の体を維持する、最適な摂取カロリー」がわからず、多くのダイエットは失敗するでしょう。ダイエットを考えている人は、摂取カロリーの計算と日々の体重計測を記録することから、やりましょう。

現在の私の毎日の摂取カロリーは大体2400kcalです。
PFCバランスを考え、脂質を抑え、タンパク質を多めにして、それを
自分なりの「基準設定」としています。
この設定で、睡眠の質、日々の体調、トレーニングの調子を見ながら、
何かが悪ければ、摂取カロリーを100kcalで調整したりしています。
さらに、食事をする際は、「よく噛むこと」を重視し、丁寧な食事を心がけています。

腸活という言葉をご存知でしょうか?
腸には免疫を司ることが知られ、腸をいたわることが、健康に大事です。
食べるものに気をつけることも腸活(=健康)に大事ですが
よく噛むことで、唾液に含まれるアミラーゼやリパーゼなどの消化酵素でまず消化することで、胃や腸での消化吸収を助け、腸活(=健康)につながります。
また、「よく噛むこと」は脳により良い刺激になることが知られています。

よく噛んで、バランスの良い食事を心がけましょう。

3. 適度な運動
運動というとジョギングなどの有酸素運動を第一に思い浮かべる人がいますが、
私のおすすめは筋力トレーニングです。
理由として、老化とともに、急激に衰えていくのは「筋力」であり、
有酸素運動では、老化による筋力の低下を抑制することはほとんどできないと言われています。
そのため、老化による筋力低下を抑制するには、筋力トレーニングが必要です。
さらに、筋トレなら、回数、扱う重量など、数値化しやすく、トレーニング効果を視覚化しやすいです。
筋力がついてくると、わかりやすく見た目が変化して、モチベーションに直結します。
など、いいことばかりです。
運動経験がない人は、手軽な自重トレーニング(器具を使わず、自分体重だけでトレーニングする)から始めてみてはどうでしょう?

以上3点。
私が日々、健康のために心がけていることでした。

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いろいろな働き方

研究留学先での働き方の色々。
研究成果(データ、グラント獲得、論文)が求められるシビアな世界、
そういう中で、ポスドクたちはどのように働いているのでしょうか?
研究室やボスのスタイルにもよりますが、下記の4つのスタイルに分類されます。

1. 朝型
2. 定時型
3. 夜型
4. 長時間型

1. 朝型
意外に多いのが、朝型early bardが結構います。毎朝、5時6時にきて、黙々とデスクワーク、研究している人がいます。
私は留学前の大学院生の時は、長時間型の働き方で、睡眠を削って研究したり、論文執筆したり、いつ家に帰ってるの?って生活をしていました。それが当たり前だったのです。
でも、研究留学して、朝型のヒトが、なんだかんだ時間をうまく使って、プライベートと研究を両立させている「優秀なヒト」が多い印象を受けました。

2. 定時型
朝9時から夕方5時。この時間を守ることを優先しているポスドクもいました。もちろん、「やるときはやる」ヒトが多く。基本定時だけど、一回熱が入るといつまででも研究したり、論文書いたりしているのですが、基本は定時を守るというスタイル。
私は渡米当初は日本と同じく、長時間型でしたが、徐々にこの定時型になりました。

3. 夜型
私のボスがそうだったのですが、昼ぐらいにきて、夜遅くまでというスタイル。夜遅くっていっても、せいぜい夜8時ぐらいなんですけどね。でもアメリカで夜ってホント、早くて暗くて、危険ですから、夜8時に出歩くのも怖く感じました。その中でラボに残ってデスクワークしてるんですから。
このスタイルはこのスタイルで、朝型とは違った時間コントロールをする方法のようでした。
大体午後5時過ぎて、6時ぐらいになると、ほとんどのヒトが帰路につきますから、施設全体が静かになります。その中で、集中して仕事をしたいヒトたちです。

4. 長時間型
東アジア人に多かったです。日本人、韓国人、中国人。
遅くまで、残っているのが美徳と思っているヒトが多いのでしょうね。

以上、4つのスタイルでした。
私は大学院生のときは夜遅くまで、研究室に残っているのが美徳だと勘違いしているタイプでした。今から思うと、効率は悪く、研究以外のことにダラダラ時間を使っていたのだろうと思います。

研究留学して、「研究成果」重視で、結果が出せればあとは自由で、働き方は自己責任という世界にどっぷり浸かりました。また、多くの優秀な知り合いが時間をうまく使って、プライベートと研究生活を両立させているのを見聞きするようになって、徐々に定時型(でもやる時はやるタイプ)になりました。

私の働き方は、現在、超朝型になってますが、、、
それも、研究留学して、結果を出してなんぼ、あとは自己責任じゃい精神(?)を学んだからだと思っています。

いい経験になりました。
みなさんもそういうプライスレスな経験を研究留学で積んでください。

視野が広がり、世界が広がりますよー

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さまざまな研究室スタイル

研究室のさまざまなスタイル。

私はアメリカの一地方都市、それでも有名ながんセンターでポスドクをしていましたが、
同じがんセンター内でも、さまざまな研究室のスタイルを見聞きしました。

その中で特徴的なラボのスタイルを4つ紹介したいと思います。
1. 出身国がアメリカ以外のボス
2. 同国人で固めたラボ(日本人版)
3. 同国人で固めたラボ(中国人版)
4. 夫婦主体のラボ[toc]

初めに、皆さん知っているとは思いますが、
日本の研究室のように
教授が王様のようにいて、
その下に准教授、助教が手下としている

という感じではありません。
一つの講座に何人も教授(Professor)がいます。
その中の一人が、講座を取りまとめる教授でいます。

さらに准教授(Associate Professor)、助教(Assistant Professor)が、これまた何人もいます。
日本と大きく違うのは、全員独立して、別々のテーマで別々の研究をしています。
助教だろうと、自分で獲得したグラントで、自分の裁量でポスドクを雇い、実験道具を購入し、自分のやりたいように研究を進めています。グラントがあれば、研究スペースも与えられ、バンバン研究機器も新品にできます。
その自由度は半端ないようでした。

ただグラントがなかったら、ヒトは雇えませんから、そこは講座を代表する教授の差配で、
研究費をほんの少し、割り当ててもらって、細々と一人で研究している人もいます。
そこは実力主義なのでしょう。
なかなかグラントが当たらず、研究するスペースもなく、デスクだけある「教授」もいました。

お金(グラント)を持って、結果(研究成果)を出す。
それが、全て!
あとはなんでもあり!!

「自由」ってそういうことなの?って思ったことがあります(笑)

そういう背景ですから、
ほんと、ラボの雰囲気とか、さまざまです。

1. 海外からきて、アメリカで成果を出して、ポジションを得た強者のボス(私の所属したラボ)

私のボスは、インド人でした。インドから、アメリカに来て、ポスドクとして長年研究し、そしてグラントを当てて、研究室を持ったばかり。まさに成り上がってきた人。私のボスだけではなく、多くのラボ運営者はそういう経歴を持ってました。中国人だったり、日本人だったり、ドイツ人、韓国人、もちろんアメリカ人も。
私のボスは、日本人が好きなようで、真面目に働く日本人を一人雇いたかったという理由で若く、海外に挑戦しようっていう研究者を探していたところ、何人かの候補の中から、私が選ばれたようです。
研究室のポスドクは、私を入れて2人。
ベテランポスドクの中国人。
英語の怪しい日本人(私)。
コロンビア人(女性)の大学院生。
と、ささやかな陣容でした。
それでも毎年インパクトファクターが6点ぐらいの論文を数本出していました。

2. 同国人でほとんど固めたラボ(日本人版)

 日本人ボスにも色々なスタイルがあるようでしたが、私の知っている研究室の一つでは、日本人ポスドクを何人も雇っており、ほとんど日本人でした。
日本人同士のサラリーの話はタブーでしたが、お酒の席でちらっと効いた話だと、1万数千ドル/年だと聞きました。私の4分の1のサラリー?
ベテランの日本の医師を何人も、そんな安い給料で雇っていたようです。医師としてはベテランでも、研究者としては、経験不足、実績不足で、海外で安い給与でもいいから研究したいというヒトを集めていたのでしょう。

こう書くと、その日本人ボスが悪いように思われるかもしれませんが、
そこはギブアンドテイクが成り立ち、日本人ボスも、お金をやりくりして「成果」を出す「方法」として採用しているのでしょう。

個人的に、そういう方法もあるのねっ思うだけです。

他の日本人ラボでは、日本の私立大学医学の臨床系の医局と繋がりを保ち、その医局から、立ち替わり入れ代わりで、医師をポスドクとして使っていました。

使っているといったほうが良いというのは、その日本からくる医師たちは無給のようだったからです。

こういう日本人ラボで働くメリットとして、「日本語」でボスとの疎通ができる。
研究の「結果」を出すプレッシャーはほとんどなく、純粋に研究が経験できるというところでしょうね。

3.同国人でほとんど固めたラボ(中国人)

中国人ラボ、私が見聞きした中国人研究室は、ボスが中国人で、ポスドクはほとんど若い女性の中国人ポスドクで固められていました。そういう趣味?(笑)

初めその若い女性ポスドクたちをみたときは、なんとも思わなかったのですが、
一年も滞在すると、その子達がとっても可愛く見えてきたのが不思議でした(笑)
ガリガリで黒髪で、細身で、華奢で、細目で、、、今、思い出しても、それほど綺麗だったと思わないのですが、日本人、中国人からだけではなく、アメリカ人からもチヤホヤされて、モテていたようです。

一種、独特な雰囲気を持ってましたが、挨拶するようになると、ウエスタンの抗体とか、試薬を試させてってお願いしたら、優しく分けてくれたりして、話してみるといい人たちでした。

4.ボスが、配偶者をポスドクとして研究室を運営している。

いくつかの研究室で見受けられました。研究者同士で結婚して、一人はボスとして、もう一人はそのラボにポスドクとして働く。そういうスタイルの研究室が結構ありました。

このスタイルで研究室運営がうまくいっているところが多い印象です。
まあ、一人分のポスドクの給与は、そのままボス夫婦の収入になるので、研究室運営という「経営」面で、とっても良いのだろうと思います。
当たり前ですが、夫婦仲が悪いと、研究室の雰囲気も悪いですね。

以上、私が見聞きしたラボのスタイル、4つを紹介しました。
その当時は、とっても不思議に思ったりしたものです。
みなさんはどう思いますか?

それでは何かの参考になったら幸いです。